奥様
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    渡辺望さんの本の書評

    宮崎正弘さんが渡辺さんの本の書評を書いてくださっています。
    bunnさんに教えてもらいましたので、
    ここに転載します。



    国家論国家論
    (2012/09/08)
    渡辺 望

    商品詳細を見る


    宮崎正弘さんの書評

    『三島由紀夫の総合研究』(三島由紀夫研究会 メルマガ会報)
        平成24年(2012)9月21日(金曜日)弐
            通巻第681号  
    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
       ♪
    書評のページ
    ~~~~~~

     もう出尽くしたと思っていた三島由紀夫への風変わりなアプローチ
      石原の男性国家、江藤の母性尊重という対比の中に、二人の三島論を総括

      ♪
    渡辺望『国家論――石原慎太郎と江藤淳、敗戦がもたらしたもの』(総和社)
    @@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@

     珍しい本がでた。政治哲学を本格的に論じた、表題のように『国家論』という大上段にかまえての、硬質な議論の書籍自体が、よくぞ出版にこぎ着けられた、いや、そういう時代なのか。

     本書では石原慎太郎の「父権」と江藤淳の「母権」をたくみに対照させ、ふたりがともに三島由紀夫の死を酷評した謎に迫る。

     こういう書き方である。

     「三島由紀夫の後年へのあの謎めいた拒絶の謎」を秘める江藤は、「優等生然とした否定の態度」、すなわち江藤は三島の楯の会を「ごっこ」として総括しつつも、三島は「ごっこ」でないことを否定するために自決せざるを得なかったのではないか、とやや飛躍的な問題を提議する。

     「江藤は三島の作品に否定的評価をくだしたことはほとんどなく、また状況論への政治的批判も同一のものを共有していたにもかかわらず、三島の精神に対して、ジャーナリスト的手法に徹底的に依拠して批判し、三島を追いやり、その自殺に対しても「虚構」、「白日夢」「早すぎた老い」などという、少しも本質的でない言葉で、まるで整理するかのような批判を続けた」

     その理由は、三島の「祖母をめぐる回想」から推定されるとして『仮面の告白』から数カ所を引用しながら、江藤が三島を「母の世界からの亡命」とみていた。にも関わらず、ある時期からナショナリズムに傾斜してゆく三島が「楯の会をはじめとする国家革新論の実践は、江藤にはあまりにも強烈で率直すぎる男系国家論の企てにみえたに違いない」

     なるほど一理あるかも知れない。

     しかし評者(宮崎)は一度も、こうした視点から江藤をみてきた経験がないので、晩年江藤が『南州残映』を書いて、否定した三島に江藤がうんと近づき、もっと私的なことをいえば、二十五周年から『憂国忌』発起人に名を連ねるという行動の軌跡をしるだけに、この批評の視点には距離がある。

     だが、著者の渡辺はこう言う。

     「江藤が『女権』や『母性』を執拗に探求しつづけたように、石原(慎太郎)は、『男権』や『父性』に対して徹底的にこだわった人物なのである。それは、社会観や国家観にも及ぶ。つまり、石原も江藤も、国家を『性』としてとらえている点において共通していたが、しかしその一方で「男」・「女」ということに対しては大局的な思想を説いたのではないだろうか。江藤は、だからこそ、西郷隆盛=女権・母権という思想を、絶対的なるものとあえて表現し自分の立場を表明した」

     著者はまた石原慎太郎に対しても、文壇も論壇も、ほぼ誰も顧みなかった駄作『弟』を拾い上げて石原裕次郎との会話や場面を追体験しながら石原の男性的、肉体的国家論に迫る。

     嗚呼、あの世間的にはミリオンセラーとなった『弟』を、知識人は誰も手に取らなかった。したがって追体験の世代が、後日、江藤、石原、三島の対比論を、こういうアングルで描くとは想像もしていなかった。

     もっと個人的にいうと、江藤、石原の三島由紀夫総括は、すでに四十年前に終わっており、この二人が三島の本質から逸脱した論理展開ぶりに興味を失っていただけに、その文脈からいえば、じつに新鮮な試論に思えたのだった。
                            (評 宮崎正弘)
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    【2012/09/24 21:01】 未分類 | TRACKBACK(0) | COMMENT(6)
    この記事に対するコメント

      わざわざの宣伝、本当にありがとうございます。

      ちなみに、9月21日の東京新聞、23日の日本経済新聞に広告が載りました。明後日の28日、大手のM新聞にも広告掲載される予定です。産経新聞が入っていないのがちょっと残念です・・・。

      これを目標達成でなく、或る意味でのスタートだと思いがんばります!
    【2012/09/26 15:45】 URL | N.W(うさねこ) #- [ 編集]


    >うさねこさん
    そう、スタートです。どんどんいい本を出してくださいね。
    【2012/09/26 22:55】 URL | 奥様 #- [ 編集]

    お目にかかっているかしら?
    うさねこさま
    初めまして、若しかしたら坦々塾の新年会でお目にかかっているかもしれませんが?
    9月21日は安倍新総裁のお誕生日、因みに私も同日。その日に広告が載ったなんて
    縁起が良いですよ。宮崎先生に書評を書いていただけた事も
    お若い人がどんどん活躍なさるのは素晴らしい事です。頑張ってくださいね。
    【2012/09/27 00:24】 URL | bunn #- [ 編集]


    >bunnさま

     お目にかかっていると思います。エール、本当にありがとうございます!

     40歳という年齢は、思想家・評論家としては、プロ野球の大卒ルーキーくらいの意味年齢だと思います。これからがスタートだと思い、勉強研鑽怠りないようにがんばりたいと思います。

     今日の毎日新聞の広告ですが、関東圏含めた東日本だと一面下に載っていましたが、西日本は広告は別枠になっているみたいですね。大新聞の広告欄というのは、東と西では違うんですね。
    【2012/09/28 17:46】 URL | N.W(うさねこ) #- [ 編集]


    >うさねこさん
    あいにく毎日新聞とっていないので、広告は見ていません。

    出版不況とか言われながら、でも出版されている本は膨大な数ですよね。
    つまり日本には活字を読む人間がたくさん居るということです。
    少し教養ある人は、やはりちゃんとした読み物を求めていますから、
    大丈夫、やっていけますよ。

    ヒットするといいですね。
    【2012/09/28 21:35】 URL | 奥様 #- [ 編集]

    広告料が
    >うさねこさん
    関東圏含めた東日本だと一面下に載っていましたが

    ここは、広告料が一番高い所なんですよ。
    私も、出版にいましたから、

    お目にかかっているとしたら、あの時私の前のお席にいらした方ですよね。
    明日は、三島由紀夫研究会の人達と内々だけのちょっとした集まりが有ります。
    うさねこさんのご本の感想なんぞ聞けるかも
    【2012/09/28 22:40】 URL | bunn #- [ 編集]


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