最近しびれた文章だったので、タイプさせていただきました。藤原せんせも、決して嫌とは言わない・・・・と思う。
じっくり読んでください。
そうそう、それから、
こういうのが出来ました。
試験運用といいながら、もう稼動しています。
皇室問題を考えるいい情報の集積場なので、行ってみてくださいね。
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12月7日産経新聞「正論」欄より
お茶の水女子大学教授 藤原正彦
憲法と世論で伝統を論ずる無理
《《《有識者の恐るべき不見識》》》
昨年、伊勢神宮を初めて参拝した。午後の外宮を歩いていたら、白装束に黒木靴の神官が3人、恭しく食膳(しょくぜん)を持って通りかかった。尋ねると、「神様の食事で、嵐の日も戦争中も一回の休みもなく、朝夕二回、1400年余り続けてきました」と言った。6世紀に外宮ができて以来という。こんな国に生まれてよかったと久々に思った。
伝統を守ることの深い意義を信じる私にとって、「皇室典範を考える有識者会議」が女性女系天皇を容認、の報道は衝撃的だった。「世にも恐ろしいこと」と蒼ざめた。政治や経済の改革が気に入らないことは始終ある。しかし、政治経済は成功しようと失敗しようと、所詮(しょせん)政治経済である。腹を立てても蒼ざめることなどあり得ない。今次の答申はまったく質が異なる。伝統中の伝統、皇統に手を入れるものであり、その存続を危殆(きたい)に瀕(ひん)させかねないものであり、国体を揺るがすものだったからである。
気を鎮め、答申に目を通してみることにした。長たらしい答申を隅々まで熟読する、というのははじめてのことだった。そして、その空疎かつ凡庸な論理展開に愕然(がくぜん)とした。
2000年の皇統を論ずる上での原点が、なんと日本国憲法と世論だったのである。実際、答申では要所要所でこれら原点に戻り、結論へと論を進めている。この二つを原点とするなら、実はその時点で結論は一義的に定まってしまう。男女平等により長子優先である。議論は不要でさえある。
長い伝統を論ずる場合、それがどんなものであろうが、先人に対する敬意と歴史に対する畏敬(いけい)を胸に、虚心坦懐で臨むことが最低の要件である。この会議はその原則を逸脱し、移ろいやすい世論と、占領軍の作った憲法という、もっとも不適切な原点を採用したのである。「有識者」の恐るべき不見識であった。
そもそも皇族は憲法の外にいる人である。だからこそ皇族には憲法で保障去れた選挙権も、居住や移動の自由や職業選択の自由もなく、納税の義務もないのである。男女同権だけを適用するのは無茶な話である。
《《《伝統は時代と理屈を超越》》》
伝統を考える際に、憲法を原点をするなら、憲法改正のあるたびに考え直す必要が生ずる。憲法などというものは、歴史をひもとくまでもなく、単なる時代の思潮にすぎない。流行といってもよい。世論などは一日で変わるものである。憲法や世論を持ち出しては、ほとんどの伝統が存続できなくなる。伝統とは、定義からして、「時代や理屈を超越したもの」だからである。これを肝に銘じない限り、人類の宝石とも言うべき伝統は守れない。
天皇家の根幹は万世一系である。万世一系とは、神武天皇以来、男系天皇のみを擁立してきたということである。男系とは、父親→父親→父親とたどると必ず神武天皇にたどりつくということである。これまで8人10代の女性天皇がいたが、すべて適任の男系が成長するまでの中継ぎであって、その男系でない配偶者との子供が天皇になったことはただの一度もない。女系天皇となってしまうからである。
25代の武烈天皇は、適切な男系男子が周囲に見当たらず、何代も前に分かれ傍系となった男系男子を次の天皇とした。10親等も離れた者を世継ぎとするなどという綱渡りさえしながら、必死の思いで男系を守ってきたのである。涙ぐましい努力により万世一系が保たれたからこそ現在、天皇は世界唯一の皇帝として世界から一目置かれ、王様や大統領とは別格の存在となっているのである。
《《《「万世一系」は世界の奇跡》》》
大正11年に日本を訪れたアインシュタインはこう言った。「近代日本の発展ほど世界を驚かせたものはない。万世一系の天皇を戴(いただ)いていることが今日の日本をあらしめた。・・・・・我々は神に感謝する。日本という尊い国を造っておいてくれたことを」。世辞も含まれていようが万世一系とはかくの如き世界の奇跡なのである。
これを変える権利は、首相の私的諮問機関にすぎぬ有識者会議はもちろん、国会にも首相にもない。天皇ご自身にさえない。国民にもないことをここではっきりさせておく。飛鳥奈良の時代から明治大正昭和に至る全国民の想いを、現在の国民が蹂躙(じゅうりん)することは許されないからである。
平成の世が、2000年続いた万世一系を断絶するとしたら、我々は傲岸不遜(ごうがんふそん)の汚名を永遠に留めることになろう。